外資系コンサルタントが主夫になったら

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微分法は1時間で解けるようになる

目標習得時間:1時間 問題数:3問

 

微分とは何か?

一般的に、数学という科目の中でも特に難しいものの代表格として挙げられる「微分積分」ですが、少なくとも数IIの範疇では、非常に易しい単元だと言えます。ではなぜ微分積分は難しいと言われるのか?それは、これらの計算の定義を理解できていないからです。今回はその中でも微分を扱いますが、まずは問1を通じて、「微分とは何か?」という点をしっかりと理解していきます。

 

問1 

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直線を求めるためには、通る点1つと傾きが必要です。通る点は与えられているので、あとはこの直線の傾きを求めればよいとわかります。傾きを求めるためには、直線上の2点を結んで(yの変化)/(xの変化)を計算する必要がありますが、この直線が通る点は(2,4)以外に分かりそうもありません。

そこで、この傾きを計算するために、以下のようなアイデアを考えます。

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(2,4)以外のy上の点をとりあえず適当に取り、直線を引きます。当然、この直線は明らかに接線ではありません。しかしここで、hをどんどん小さくしていくとどうなるでしょうか?この直線がどんどん接線"ぽく"なっていくことがわかります。

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もちろん近づけているうちは"ぽい"だけですが、hが完全に0になったとき、この直線はまさに接線である、と言えるでしょう。すなわち、この問題は以下のように解くことができます。

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※1はページ最下部参照

 

いかがでしょうか。やや奇抜なアイデアによって接線の傾きを求めることができました。そして実は、この接線の傾きを求める計算テクニックのことを「微分」と呼ぶのです。これが、微分の定義です。(※2)

ほとんど魔法のような計算だったと思うので、まずはここまでを読み返して、この計算が間違っていないことを確認してください。

 

さて、今回は非常に簡単なグラフでしたが、もっと複雑なグラフであっても、この微分というテクニックによって接線の傾きを求めることができます。しかし、式が複雑になっていったときに、毎回この計算をするのは非常におっくうです。そこで、微分計算の答えを公式として覚えておくことにします。

 

<微分の公式>

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この公式を適用することで、問1は以下のように解くことができます。

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頭の中の理解としては最初に提示した解法(=微分の定義)を押さえておく必要がありますが、テストに書くのはこちらです。両者を併せて確認してください。

なお、数IIIでは、三角関数、指数関数、対数関数といった様々な関数に対して、この微分計算を適用していきます。楽しみですね!

 

微分を応用してグラフを描ける

ここまでで、「微分とは何か?」を説明できるようになりました。教養としてはこれで十分ですが、テストに登場する応用問題を解くためには、あと2問の解法を覚える必要があります。

問2 以下の関数のグラフを描け。

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そもそも「接線の傾き」を求めてうれしいこととは何でしょうか?実は、微分を応用することで、形がわからない関数のグラフを描くことができるようになります。

まずは、接線の傾きとグラフの形状について、分析してみることにしましょう。以下の図を見てください。

 

<ある関数のグラフ>

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ある関数があったとして、色々な点で接線を引いてみます。すると、どんなそれがどんな関数だとしても、

  • 接線の傾きがプラス→グラフは上り坂
  • 接線の傾きがマイナス→グラフは下り坂
  • 接線の傾きがゼロ→グラフは山頂(極大)または谷底(極小)

という法則があるとわかります。この法則を利用することで、微分によって様々な関数のグラフを描けるようになります。

 

では問題に戻ります。とりあえず与えられた式を微分することからはじめ、山頂と谷底はすぐわかりそうなので、これも計算しておきます。

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 これで山頂と谷底のx座標がわかりました。次にグラフを描いていきますが、そのために「増減表」と呼ばれる表を使います。難しそうに見えますが、一度書けば簡単だと思います。

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未知の関数である三次関数のグラフを描くことができました。

 

そして最後に、センター試験レベルの問題に取り組みます。これができれば微分はマスターです。

問3 以下の方程式の解の個数を求めよ。

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まず、二次関数に不安がある場合は、「二次方程式の解の範囲」に関する問題を復習しておいてください。

二次関数の章でもある通り「方程式の解=グラフの交点」です。したがってこの問題は、

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と言い換えることができます。ここまで理解できれば、グラフを描くだけで一目瞭然です。

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この問題を二次関数の単元と併せて確認しておくことは非常に重要です。なぜなら、本問の更に応用として、二次関数の章に登場した問題のように、xやaの範囲が限定されたり、場合分けが必要になったりするケースがあるからです。

本問のレベルになってくると、微分自体の難しさよりも二次関数の単元で習得した解法を他の関数にも応用することができるか?という点がポイントになってきますので、ぜひ二次関数の章も繰り返し取り組んでください。

 

微分は定義を理解することが重要

今回はいつもと異なり、微分の定義に多くの時間をかけましたが、定義を知っていれば全く恐れるに足らないものだとわかるはずです。これほどシンプルな単元でありながら、この微分を理解できれば、周りに「数学が得意だ」と公言しても文句をいう人はいないでしょう。

次回は、この続きである積分を扱います。

 

※1 「h=0」ではなく「h→0」と書く点が重要です。計算上は「h=0」と同じですが、数学の約束事によって「h=0」と書くと間違いになってしまうので注意してください。しかもこの理由は残念ながら高校数学では説明できないので、現時点での理解は「よくわからんけどh=0は×になるから、先生に言われた通りh→0と書いてる」で十分です。興味のある方は(まず流暢に微分できるようになってから)「イプシロン-デルタ論法」を調べてみてください。

※2 一般的に、微分の定義は「変化率を求めること」と習うことが多いと思います。これは確かにそちらの方が正しい定義で、物理学や経済学、統計学などへの応用において理解必須の考え方です。しかし、高校の数学・理科の学習範囲ではそもそも「変化率」という数字や言葉に着目すべきシーンがほとんど無く、これが微分の理解を難しくしている原因の一つであるとも思います(なぜ微分が必要なのかわからない)。したがって私は、高校数学でなじみの深い「直線の傾き」に紐づけた理解を推奨しています。