外資系コンサルタントが主夫になったら

主夫、はじめました。興味のあることをとことん研究します。勉強法、テクノロジーなど

展開・因数分解は1時間で解けるようになる

目標習得時間:1時間 問題数:2問

 

■最もつまらないが、最も重要な単元

数I最初の単元である数と式は、つまらない計算問題をただ解き続けることになり、新高校生の心をへし折る大きな一因になっています。その一方で、この単元で習得する計算方法は、今後数学をやっていくうえで必ず必要になる超重要テクニックでもあります。

まず、この単元を習得するモチベーションとして、将来の役に立つとか、数学の面白さとかを期待するのはやめましょう。ただこれからの高校数学を理解するための基礎練習のようなものだと初めから諦めておくのが良いかと思います。

  

■習得すべき5つの計算テクニック

学校では非常に多くの計算練習をやらされるので、全体像が見えにくい単元ではありますが、習得すべきテクニックは非常に明確です。これらは高校数学全体を通じて必要な計算テクニックであり、これらを使いこなせることが今後の単元を理解する前提となります。

  1. 展開
  2. 因数分解
  3. 根号を含む分数計算
  4. 一次不等式の解法
  5. 絶対値記号の外し方

今回は1と2について、 次回3~5を扱うことにします。

 

■公式を使わなくても展開できるようにする

高校数学で扱う展開は、中学数学と比較して圧倒的に多くの公式が登場します。残念ながらこれらの公式は因数分解で使うため全て覚える必要があるのですが、こと展開計算に関しては、むしろ公式を使わない汎用的な解法を使った方が早いし正確と言えます。

問1 以下の式を展開しなさい。

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将来の大学受験を見据えると、公式を適用できないケースの方が一般的です。従って、公式を使わなくても展開できる計算力が非常に重要です。

さて、全ての展開計算は、以下のプロセスで取り組みましょう。

  1. どんな項ができるか考える
  2. 各項の係数を計算する 

まずは1から。展開の基本はすべての項同士を掛け算することなので、どんな項ができるかは見ればすぐにわかると思います。今回の例では、

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の5項です。

次に2。それぞれの項ができる掛け算の組合せを考えて、係数を計算します。

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最後に、それぞれの項を足し合わせれば完成です。

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この解法は、この程度の問題だと逆に複雑に思えるかもしれませんが、この方法には、

  • 式がどんなに複雑になっても同じ解法を適用できる
  • 式がどんなに複雑になっても途中式を書かなくてよい

という大きなメリットがあります。まずは展開の基本として、この計算方法を習得しましょう。

 

 ■たすき掛け因数分解は慣れ

因数分解の解法については、中学時代と変わらず展開公式を逆に使うだけなので、ただ公式さえ覚えておけば対応可能です(この点は教科書以上の情報がありません)。

ただし「たすき掛け」だけは特殊な技術が必要になってきます。そしてこ大変残念なところではありますが、たすき掛けに効率的な解法は存在しません。ただひたすら慣れるだけです。

しかし、「たすき掛け」を公式ではなく計算手順として考えるだけでも、かなり解きやすくなるのではないかと思います。

問2 以下の式を因数分解しなさい。

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当たり前のことを言うようですが、因数分解は展開の逆、という意識が非常に重要です。つまり、展開の公式、とか、たすき掛けのやり方、ではく、

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という考え方が大切です。これは結局、A,B,C,Dに適当に数字を入れてみて問題の式になるものを探す、という泥臭いアプローチなのですが、困ったときはこういう作戦が一番有効なのです。

 

さて、この考え方を本問に当てはめると、

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は明らかなので、答えは

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のいずれかであると推測できます。(係数が分数になる可能性もありますが、ほぼないので①~④がハズレだった時に考えればよいです)

あとは①~④をそれぞれ展開して、問題と一致するものが答えです。

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一般的に、たすき掛けの因数分解はひっ算のような図を描きますが、実はあの図の描き方よりも、「なぜあの図を書くと解けるのか」を知っておくことの方が重要です。まさにそれが上記なわけですが、実はその理由だけ知っていれば図を描かなくても因数分解できてしまうし、他のパターンの因数分解にも応用可能です。

 

■大切なのは「何を覚えるか?」

さて、今回は敢えて公式を一つも導入せずに展開・因数分解に取り組みました。しかし、「公式」は覚えなくても、「解法」はしっかり覚えておく必要があります。多くの数学の先生がおっしゃる「数学は暗記ではない」とはまさにこういうことで「何も覚えなくていい」ということではないのです。

数学を効率的に習得するためには、ただ公式を丸暗記するのではなく、何も覚えないわけでもなく、最低限の公式+最低限の解法で多くの問題をカバーする勘所を押さえることが重要です。